『帽子のオアオア物語』Vol.15 ベルジェールの話|OVERRIDE
Journal

- Column

『帽子のオアオア物語』Vol.15 ベルジェールの話

『帽子のオアオア物語』Vol.15 ベルジェールの話

「ベルジェール」という名前の帽子があるんだそうですね。主に、婦人帽。

bergère と書いて、「ベルジェール」と訓みます。

ベルジェールはストロー・ハットなのですが。ブリムが広く、クラウンが平らであるのが、特徴。

ベルジェールはもともと、「羊飼い」の意味があります。つまり、本来は「羊飼い」のかぶる帽子だったのでしょう。それが、十八世紀のフランスで、流行。何が流行るか分からないものですね。

ストロー・ハットのクラウンはたいてい丸くなっていますから、フラットなヤマはたしかに目立ったことでしょう。

もっとも帽子全体で眺めれば、フラット・クラウンがないわけでもありません。

スペイン発祥の「ガウチョ・ハット」。あれもまた、フラット・ブリムに、フラット・クラウンが特質のものです。gaucho は、南米のカウボーイのことです。

もう一度、「ベルジェール」に戻りますと、1860年代の巴里でのモオドになったことがあります。

ベルジェールの場合、たくさんの花とリボンで飾る帽子で、特に夏用と限ったものでもありません。

もう帽子が見えないくらいの「ベルジェール」、誰か作ってくれませんか。

出石尚三

出石尚三

服飾評論家、ファッション・エッセイスト。国際服飾学会会員。主にメンズ・ファッションの記事を執筆。著書も多数。60年代にファッション・デザイナー・小林秀夫の弟子となったのが、メンズ・ファッションの道に入った最初。幼少期からお洒落好き。好きな作家はサマセット・モーム。好きな画家はロートレック。好きな音楽家はショパン。好きな花は薔薇(ばら)。好きな色はピンク。好きな言葉は「夢」「希望」「愛」。昔の服からふっと新しいアイデアを頂くこともある。