『帽子のオアオア物語』Vol.9 ディルンドル・ハットの話|OVERRIDE
Journal

- Column

『帽子のオアオア物語』Vol.9 ディルンドル・ハットの話

『帽子のオアオア物語』Vol.9 ディルンドル・ハットの話

「ディルンドル」は、女の子のスカートのことです。もしディルンドルで分かりにくいようでしたなら、「ダーンドル」 dirndl と英語式に言い換えたほうがいいかも知れませんね。

「ダーンドル・スカート」は、切り替えがあって、大きくふくらんだシルエットのスカートのことです。もともとは、オーストリアの女の子の、民族衣裳だったもの。

男の子の、革の半ズボンに対して、女の子は「ディルンドル」を穿いたものであります。本来は、ディルンドルは「女の子」の意味であったという。

1909年頃。ウイーンに、ゲルトルートという服飾デザイナーがいて。この人物が、古い型紙から、今のディルンドルを復活させたんだそうですね。ゲルトルート・ぺーゼンドルファーがその名前だったという。

さて、ディルンドルの上にはどんな帽子をかぶったのか。この民族衣裳としての帽子は、それぞれの地域によって異なっていたらしい。

その中で私が勝手に可愛い!と思うのは、「ディルンドル・ハット」。それは、丸い、スポンジ・ケーキのような形なのです。

クラウンはまさにスポンジ・ケーキそっくりで。ブリムは申しわけ程度に、前にだけついています。

たしかに、ディルンドルにはよく似合いそうです。ほんとうに、オーストリアの童話に出てきそうな帽子なのであります。