帽子の洗い方や普段 の洗濯のコツwith フレディ レック・ウォッシュサロン
今回は、2021年に始まった洗濯ブランド「FREDDY LECK sein WASCHSALON(フレディ レック・ウォッシュサロン/以下フレディ レック)」とのコラボレーションにちなんで、そのきっかけやランドリーにまつわる話題をピックアップ。
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2017年のオープンをほどなくして、例にない“新業態のコインランドリー”と話題をさらい、今も変わらず地元の人々に愛されているフレディ レック。その成り立ちや、ずっと続く人気の理由、また今回のコラボの裏話から、気になる帽子のお手入れ方法、さらには洗濯の“あるある悩み”解決策まで…! 読んでタメになる情報を対談形式でたっぷりお届けします。
ある晴れた日、オーバーライドのデザイナー原が自信作“洗濯機で洗える帽子”を携えて向かったのは、目黒にあるフレディ レック第1号店。カフェも併設されたお洒落なコインランドリーです。早朝にもかかわらず、近所の人がちらほら訪れ、慣れた手つきで洗濯機を回し、思い思いに時間を過ごす… それぞれのルーティンが繰り広げられる心地よい“いつもの光景”のなか、フレディ レックの商品企画、鈴木さんにお話を伺いました。
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●目次
フレディ レックはどんなブランド・お店ですか?
フレディレック オリジナルアイテムの特徴
なぜコラボすることになったの?コラボアイテムについても教えて!
帽子の洗い方・お手入れ方法
洗濯のあるある悩みを解決!
Q.生乾きの嫌〜なにおい、どうしたら直る?
Q.ニットは自分で洗っても大丈夫?失敗しない方法を知りたい
Q.帽子やマスクの内側のファンデーション汚れをどうにかしたい
対談を終えて
フレディ レックはどんなブランド・お店ですか?
鈴木さん:フレディ レックは、ここ「フレディ レック・ウォッシュサロン」というカフェとランドリーが一緒になったお店と、おうちで使えるオリジナルのランドリーグッズを販売しているブランドです。
元々は2008年にドイツ・北ベルリンの街でフレディ・レックさんという方がカフェとコインランドリーを一緒にしたお店をスタートしたのがきっかけです。当時ドイツでコインランドリーと言えば、小さくて、ちょっと汚なかったり、暗かったり、あまり気持ちのいい場所じゃなかったようなんですが、それを変えたい、と。いつも人がいてコミュニケーションが取れて、待ち時間を楽しめるようなカフェと一緒になった“ウォッシュサロン”。当時のスタッフがそれを雑誌の小さなコラムで見つけて、洗濯をただの作業にしてしまうのではなく楽しいものに変えていく…という想いとコンセプトに感銘を受け、そのままドイツまで会いに行きました。念願叶い契約をさせてもらうことになり、2010年に日本でスタート。ドイツから仕入れたランドリーグッズの販売から始めて、ようやく2017年にサロンをオープンできた、という経緯があります。
原:すごい。ドイツまで行っちゃうなんて、パワフルですね。7年の時を経て、ここがオープンしたんですね。
鈴木:はい。2店舗目はここから20分くらい歩いたところにあります。そこはコインランドリーのみの空間になっています。
原:目黒というのがポイントなんですか?
鈴木:僕たちの会社が目黒区にあり、フレディ レックのコンセプト的にも地域のコミュニティに貢献したいという気持ちがありました。今の時代はウェブで世界中の人に物やサービスを提供出来ますが、コインランドリーだけは半径500m以内という、限られた超ローカルなビジネス。地域に根差して、そこのコミュニティをつくっていくということに僕たちの使命を感じています。なので近い場所でもあり、老若男女いろんな方が住んでいて、暮らしを楽しみたい人が多い街、目黒に出店しています。
原:いいですね。私も、家の近くにこんなところがあったら嬉しい!
フレディレック オリジナルアイテムの特徴
鈴木:最初はドイツの輸入品のみを扱っていたのですが、ドイツの洗濯と日本の洗濯ってすごく文化が違う。水も違えば、洗剤も違うし、気候も違うから干し方も全然変わってくるんですよね。なので今は、例えば洗剤なら日本の水に合わせて成分を組み立ててオリジナルでつくったりしています。会社のスタッフは全員勉強をして「洗濯ソムリエ」の資格を持っているので商品開発も自分たちで行うのですが、洗剤以外も10年かけてひとつひとつ、日本の暮らしに合わせてつくってきたもの。「いいデザインでいい品質で、フレディ レックらしい遊び心のあるプロダクト」をテーマにしています。
原:素敵。数年前に会社で“洗濯できる帽子”を打ち出す展示会の準備をしていたとき、スタッフが雑誌か何かでフレディ レックさんを発見したんです。グッズがお洒落だから、帽子と一緒にディスプレイしたいと思い、実は一度グッズを買いにきたことがあります。洗剤ふたつと、ウォッシュタブ、バルコニー用のサンダルをゲット。自分用にも買っちゃいました(笑) 。
鈴木:嬉しい!ありがとうございます。どれも人気商品です。あと根強い人気でロングセラーと言えば、バスケットも。ちょうど地球環境のことも改めて考え直す機会があったので、植物由来原料を25%入れてリニューアルしました。洗剤・柔軟剤もサステナブルを意識してつくっています。
なぜコラボすることになったの?コラボアイテムについても教えて!
原:店舗スタッフと話していると、コロナ禍で自分や家族が身に着けるものを清潔に保ちたいという思いからか「洗濯できる帽子はありますか」とお客様から聞かれることが多くなったらしいのです。実は、オーバーライドには手洗いできるものはもちろん、洗濯機で洗える帽子もかなりたくさんあるんですが、「洗いたい」需要はあるのに「ここにある」ということがまだ全然知られていないと思いました。なので、もっと伝えていきたいと考えたとき、以前訪れたフレディ レックさんのことを思い出して。すごく素敵なお店だったし、コラボできたらいいなと思い、こちらからお声がけさせていただきました。
鈴木:ありがとうございます。実は僕たちもコロナ以降、ライフスタイルの変化から「自分で洗いたい」傾向が強まってきたと感じていました。消費、消費で回していく時代ではなく、一旦立ち止まり、気に入ったものを長く使うという本質を楽しみたい人が増えてきたんじゃないかな、と。そういった考えはサステナブルにも繋がりますし、この仕事をしている僕たちとしても、いろんなものの洗い方を伝えていきたいと思っていました。オフィシャルサイトでも、オリジナルランドリーグッズの使い方やニットの洗い方などのHOW TOを伝えてきたのですが、帽子は今までやったことがなかったんです。でもフレディ・レックさんご本人は、よく大きな帽子を被ってお店に立つ人なんですよね。遊び心のあるエンターテイナーなおじさん、という感じ。なのでオーバーライドさんとコラボをして帽子の洗い方を伝えていけるのは、とてもいい機会だなと思いました。
原:そう言っていただけて良かったです。私もお気に入りのものは長く大切に使いたいのですがズボラな性格なので…。でもお洒落なグッズでお手入れできるとなると、ポジティブな気持ちで楽しく頑張れそう!帽子もそんなふうに楽しんでほしいという思いを込めて、今回のコラボアイテムは、”オーバーライドグレー”の特別パッケージの、帽子を洗うときにも使える「フレディ レック オリジナル ランドリーネット2P」(¥1,760(税込))と、洗濯表示の見方や帽子の洗い方をプリントした限定ノベルティ「LET’S WASH YOUR HAT. バンダナ」にしました。
鈴木:このバンダナは、僕らが2016年に新洗濯表示になったときにノベルティとしてつくったものが元ネタなんですが、ありがたいことに、当時もとても好評で。今はどこにも売っていない非売品ですが、オーバーライドさんのイメージカラーであるグレーのコラボバージョンになって復活させることができました。
原:とってもかわいいですよね! いろんなところから「欲しい」と声をもらいました。2022年4月29日(土)から、オーバーライド 神宮前・南堀江の2店舗限定で、洗濯機で洗える帽子またはランドリーネット2Pを含んだ税込7,700円以上をお買い上げの方に、お店でノベルティとしてプレゼントしています。※各店なくなり次第終了
帽子の洗い方・お手入れ方法
鈴木:これもマシンウォッシュできるんですね!(驚)
原:はい。熱を与えると溶けて固まる特殊な糸が一緒に編まれているので、型崩れしにくく洗濯機でもガラガラ洗えちゃいます。技術が高く信頼できる日本の工場さんにお願いしてつくったものです。
1.洗濯タグについている表示マークを見て、洗濯機で洗えることを確認する
液温は、40°Cを限度とし、洗濯機で弱い洗濯処理ができる (関連記事) 帽子の洗い方|洗濯機 |
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液温は40°Cを限度とし、手洗いによる洗濯処理ができる | |
家庭での洗濯処理はできない |
洗濯機洗いできない帽子は、手洗い可能なものは手洗いで。それ以外は帽子専門のクリーニング屋さんに相談しましょう。
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2.クラウンの内側にタオルを入れる
3.洗濯ネットに入れ、洗濯機で洗濯する
原:ネットはどう使い分ければいいですか?
鈴木さん:ネットには型崩れ防止と生地の表面を守るふたつの役割があって、細かい網目は両方を担っています。大きな網目は表面を守ることはしないのですが洗濯機内で擦れ合い、水通りもいいので、より汚れが落ちやすいというのが利点。シルクやニットなどの繊細なものは細かい方を、強めの素材のデニムや帽子などは大きい方がおすすめです。
鈴木:ちなみにこのオリジナルのネットは、10年使っているスタッフもいるくらいかなり丈夫です。ジップもYKKのものを使用していて、洗濯機内の過酷な状況でも使い続けられるタフなつくりになっています。
原:安いものだとすぐ破れてしまったりするから、結果的にコスパも最高ですね!
4.洗い終わったら洗濯機から取り出してタオルを取り、風通しの良い場所で陰干しする
洗濯のあるある悩みを解決!
原:洗濯マイスターの鈴木さんと対談ができる貴重な機会なので、普段感じているお洗濯にまつわる悩みをリストアップしてきました。色々教えてください!
Q.生乾きの嫌〜なにおい、どうしたら直る?
A.
方法1 酸素系漂白剤を使って菌の増殖を防ぐ&倒す!
方法2 空気を動かして乾くまでの時間を短縮
方法3 高熱でモラクセラ菌を死滅させる
原:これから来る梅雨時季は特に生乾きのにおい問題、気になります!特にタオル…! 部屋干しだとついちゃうものですか? 防ぐ方法、においを消す方法、知りたいです。
鈴木さん:確かにタオルは気になりますよね。部屋干しでもちゃんと時間をかけずに乾かすことが出来ればにおいは出ません。方法2のように、サーキュレーターなどで空気を動かすことでかなり時間を短縮することができますよ。薄手のタオルに変えるというのもひとつの手。
原:方法1の酸素系漂白剤というのは?
鈴木さん:漂白剤には酸素系と塩素系の2種類があって、よく見かけるものは塩素系です。酸素系は、オキシクリーンという呼び名の方が聞き覚えのある人が多いかもしれません。いつものお洗濯時に追加で入れるだけで菌を倒せるので、におい予防にも最適。ついてしまったにおいを消したいなら、つけおき洗いも有効です。あとは方法3のように、においの原因であるモラクセラ菌を高熱で死滅させることもできますよ。家庭用のものだとあまりないのですが、ランドリーなどにあるガス乾燥機だと80度くらいの温度で乾かすので、においもきれいに消えてなくなります。煮沸洗濯ができるなら、それでもOK。ただ、衣類にはダメージを与えやすい方法なので、物は選んだ方がいいですね。
原:バスタオルなら高熱の方法でもよさそうですね。梅雨はコインランドリーに行ってみます!
Q.ニットは自分で洗っても大丈夫?失敗しない方法を知りたい
A.
丁寧に手洗いすれば、大丈夫です。失敗しません
原:衣替えした後のニットを全部クリーニングに出したら高額になってしまって…かと言って自分で洗うと失敗しそうでこわくて。どう洗えばいいのかをぜひ教えてもらいたいです。
鈴木さん:基本的には、おうちで手洗いでも大丈夫です。ニットが縮む原因は人間の髪の毛と一緒で、絡まってしまうからなんです。ゆっくりつけおき洗いして、静かにタオルドライで脱水したあと、風通しのいい日陰に干しておけば安心。ぬるま湯で洗うのがおすすめです。ニットの洗い方は、ムービーを作ってオリジナルサイトの「HOW TO」でお伝えしているのでぜひチェックしてみてくださいね。
原:チェックしてみます! ただ、平干しするためのアイテムが我が家にないんです…。
鈴木:理想は平干しなんですが、そういうときは2つ3つ並べたハンガーを跨ぐように服を寝かせるという方法もあります。あまり分厚いニットだと自重で伸びてしまうので気をつけて。
Q.帽子やマスクの内側のファンデーション汚れをどうにかしたい
A.
方法1 ドライクリーニングに出す
方法2 牛の胆汁が入ったヨーロッパの伝統的な染み抜き用石鹸を使う
鈴木さん:ファンデーションなどのメイク汚れや食べ物などの油分を含んでいる汚れは、通常の洗濯だとどうしても落ちづらいです。方法1のドライクリーニングという手もありますが、コストがかかるし、ちょっとした汚れなら自分でなんとかしたいですよね。そんなときは、フレディ レックでも販売している牛の胆汁が入ったヨーロッパの伝統的な染み抜き用石鹸がおすすめです。
原:牛の胆汁…!?
鈴木:はい。胆汁に含まれる胆汁酸には乳化作用があって、脂肪分を乳化させて消化吸収を助ける仕事をしているんです。それを洗濯のときに油性の汚れを落とすときに使うと、同じ作用を発揮してかなり効果的だということで、実はヨーロッパでは150年ほど前から洗浄剤として親しまれてきているんです。それこそフレディ レックの故郷ドイツでもかなり一般的で、スーパーでも手に入ります。
原:そうだったんですね!ほんのり感じる爽やかなレモンと清潔感あるやさしい香りで、いい感じ。
鈴木:しばらく在庫がないほど人気だったんですが、ようやくリニューアルして再入荷しました。帽子、マスクの内側はもちろん、シャツの襟や袖の黒ずみを落とすのにもぴったりです。
対談を終えて
原:いろいろと教えていただき、ありがとうございます。
今回のコラボでもっと洗える帽子をたくさんの方に知っていただけたらいいなと思っています。洗えない帽子も、大事にケアすれば長く楽しんでもらえるとポジティブに感じてもらえれば嬉しいです。皆さんが帽子を手に取ってくださった後のお手入れ方法なども考えながら、今後もプロダクトや企画を考えていきたいです。次は洗えない帽子のお手入れ方法なんかも鈴木さんに相談に乗っていただきたいですね。これからも、よろしくお願いします!
鈴木さん:コラボさせていただき、サステナブルな考え方やパーソナリティのあるお洒落を、洗濯という手段で伝えていける嬉しさや役割のようなものを改めて感じられました。より個性が大切にされるこれからの時代、好きな帽子をかぶって、思いきりお洒落を楽しんで欲しいですね。ケアに困ったら僕たちもいるので、ぜひ頼ってもらえたら嬉しいです。
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Words: Mai Otsuki Photos: KOBA Edit: Misaki Yamaguchi , Haruna Kato