「1アイテムで教科書2冊」CLOUDY×オーバーライドコラボに込められた想いとは?|OVERRIDE
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「1アイテムで教科書2冊」CLOUDY×オーバーライドコラボに込められた想いとは?

「1アイテムで教科書2冊」CLOUDY×オーバーライドコラボに込められた想いとは?

7/14(水)から全国のオーバーライド店舗とオンラインストアでCLOUDYとオーバーライドのコラボアイテムが発売となります。鮮やかなアフリカンプリントの柄と、ファッション性の高いアイテムで唯一無二の存在感を放つCLOUDY。その創設者である銅冶氏と、コラボの仕掛け人オーバーライドMD小林がプロジェクトの裏側や想いを語ります。

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CLOUDYってどんなブランド?

銅冶さん(以下、銅冶):2010年にNPO設立以降、アフリカの教育・雇用の創出を目的に活動しています。アフリカ社会を取り巻くあらゆる格差を感じた中で、雇用をつくることが大事だと考え、アパレルにたどり着きました。そこから現地に工場を構えて、スタートしたブランドになります。学校を開校し、子供たちの教育の機会を増やしたり、障害者や女性の雇用を拡大したりしているところです。

CLOUDYを始めようと思ったきっかけは?

銅冶:大学の卒業旅行で、16日間ほどケニアに行ったのがきっかけでした。そのときにはすでに金融会社への入社が決まっていて「社会人生活が始まる前に、一生行かない場所へ一生できない経験をしに行こう」と思い、ケニアのマサイ族のところへホームステイに行ったんです。

期間中、アフリカ大陸の中で二番目に大きなスラムで生活をさせてもらう機会がありました。そこで自分たちが過ごしてきた環境にはない圧倒的な格差を感じ、貧困のリアリティをこの目で確認しました。

200〜300万人が住んでいると言われている街の200世帯に一個しかトイレがないんです。代わりにビニールに入れて道に破棄しているんですね。そこに雨が降って、靴を持っていない子供たちが裸足で走ると、傷口にばい菌が入って死んでしまうこともあります。

そういう劣悪な環境を目の当たりにしたことが、自分の中でこの事業を一生をかけてやりたいと思った大きなきっかけでした。

そのまま帰国してすぐに、金融会社での社会人生活がスタート。同時にアフリカへの送金を始めました。その後、アフリカに学校が殆どないなどの教育事情を知り、まずは学校を建てたいと思って。社会人3年目でNPOを設立して、学校建設をしました。その頃からアフリカへのアクションがどんどんスタートしていきました。

小林:最初は学校からのスタートだったんですね。

銅冶:はい。でも、今の雇用の創出を目的とした活動に繋がっていく大きな理由がありました。自分の学校を卒業した女の子たちが、娼婦になってしまうケースって、非常に多いんです。

家族を養わなければいけないとか、自分で大学に行きたい、お店を開きたいなど、将来の問題を解決していくための手立てとして、そういう進路を選ぶ人が多い。仕事、雇用がないんだなと改めて感じました。特に女性ですね。

そこで、なんとか仕事をつくって彼女たちの選択肢を増やしたいな、と。ずっと探し続けた結果、アパレルに行き着きました。

小林:なぜアパレルだったんですか?

銅冶:地元の生活水準を底上げしていくことが大事だと思っていたので、現地の文化や生活に根差したものを探していました。そんな中で民族衣装でもあるアフリカンファブリックに出合ったんです。当時、すでに世の中に知られてはいるものの、ちゃんと浸透されていない状態でした。アフリカンファブリックをビジネスとして展開することができたら、数字に直結させられるのではないか、と。そしてファブリックの素晴らしさをポジティブに伝えていきたいと思ったのが、ひとつ。

もうひとつは、アフリカでは庭先でミシンを叩いている人、縫製している人がすごくたくさんいるんです。戦後の日本も、よくおばあちゃんが縁側なんかでものづくりをしていた時代があったと思うんですが、そういう文化や生活がアフリカにはとても根付いている。

このふたつを掛け合わせて工場をつくり、縫製作業やプロダクトの製作にまつわることが仕事になっていくようなビジネスであれば、アパレルと両立できると思いました。
2015年には会社を辞め完全にアフリカの事業に移行しました。

小林:金融からの大転身ですね。

銅冶:自分のビジネスを全く違うものに変えていくことって、客観的に見るとものすごいチャレンジングだなって思うんですけど、振り返ってみると学生から仕事に就くときは、みんな未経験。何が安定しているなんていう世の中でもないし、一番のベストは自分のやりたいことにチャレンジできてそれをビジネスにできることだと思っていたので、なんの躊躇いもなかったです。

なぜコラボに至ったの?経緯を教えて!

小林:職業柄いろんなアパレルブランドのお洋服や、生地の展示会に行ってチェックしたり調べたりしているのですが、3年前くらいにSNSでアフリカンテキスタイルのポーチの写真が目に入り、見た瞬間に「この生地かわいい!」と思いました。そこで初めてCLOUDYさんを知り、ホームページやインスタグラムで活動を追うように。取り組みに感銘を受けてファンになり、絶対にいつかコラボしたいと思っていたんです。オンラインでずっと眺めていました。

銅冶:ありがとうございます。

小林:オーバーライドでは、アフリカンテキスタイルは以前にも使ったことがありました。そのときもデザイナーやスタッフたちに人気で、お客さまの反応もとても良かったという実績があったのでまた企画したいと思っていました。いろんなアフリカンテキスタイルの生地が市場にある中で、CLOUDYさんの生地はセンスがよく、デザインも抜群にかわいい。それだけでも十分素敵なのに、さらに、アフリカの雇用を創出する活動に貢献できるということに魅力を感じました。

オーバーライドが今年で22年になるのですが、2020年にリブランディングをしたんです。従来以上に、社会貢献やサステナブル、帽子を通して自分たちに何ができるか、ということを念頭に、お客さまに寄り添う帽子ブランドであり続けるということを新しいコンセプトに掲げていて。そんな私たちの気持ちにもフィットしていました。

なので迷わずお声がけさせてもらい、今に至りますね。

今回のコラボの内容やそれぞれの想い・アフリカの現状

銅冶:今回お声がけいただけて、すごく嬉しかったというのが率直な気持ちです。例えばお声がけをいただく会社さんがいかに大きくても、光栄な一方で、数字だけを見たコラボレーションだと、やはりやりたくないしできないんです。その先の一番大事にしている“現地でのアクション”に共感していただけて、一緒に実施していただけるかどうかというところを一番大事にしています。オーバーライドさんからは「オリジナルなアクションに現地の人たちと取り組みたい」と、熱い想いを頂いたので、ぜひ一緒にやらせていただきたいなと思いました。

さらに商談させていただいた後に神宮前のお店へ伺ったんです。すると、売ることができなくなった規格外のお花を「チャンスフラワー」と称して1本100円で販売するというイベントをしていて。そのアクションを見て、本当に素敵な取り組みをされているブランドさんなんだなというのを改めて感じて。心が決まりました。

小林:嬉しいです!

銅冶:コラボが決まってから、状況や時期に合わせて今回はどんな“現地でのアクション”がいいのかというのを、一緒に考えながら進めていきましたね。

小林:銅冶さんからいろいろお話を聞けたのが良かったです。学校があっても教材不足という問題もあるということを、初めて知りました。そこで教科書を支援することに。コラボアイテムをどれかひとつお買い上げいただくと、ガーナの子供たちに現地で作られた教科書を2冊、送ることができます。

銅冶:世界の6000万人の子供たちが初等教育を受けられていないのですが、その60%ほどがアフリカ大陸の子供たちだと言われています。教育環境の悪さというのは数字からもうかがえますよね。

教科書も1冊を3人で使う、教科書が作られた年が違ってページが合わない、などの事態がよく起こります。なので教科書はとても貴重です。ただ支援するときに気をつけているのが、外から物資を持っていかないということ。海外には素敵な教科書もたくさんあるんですが、僕たちは現地で教科書を買わせていただきたい。現地にしっかりとお金を落とす、というのがとても大事なんです。

例えば靴を1万足途上国に届けたら、1万足分の靴を売っている人たちが仕事を失う。Tシャツや文房具でも同じです。現地でお金をしっかり落として、現地の人たちの仕事を奪わず、逆にその仕事につなげていく。今回のプロジェクトで支援していただく教科書も、しっかりと現地で作られているものです。

小林:“現地にお金を落として現地の仕事につなげる”取り組み、一番初めにCLOUDYさんのホームページで見たときに、涙が出そうになりました。母の知人に途上国への支援をしている方がいて、幼い頃からよく古着を送っていたんです。それを見ていた私も「どこかで誰かの役に立っているなら良かった」という感覚でいた。いいことをしていると信じてそれ以上考えず、疑いませんでした。

でも、何かを与えるのが支援ではなかった、と気付いたときには衝撃が走りました。第一歩としてはいいかもしれないけれど、本当にやらなくてはいけないことは、現地の人たちに活動力を与えることだ、と。それを実践するのは並大抵のことではないし、単純なことでもない。CLOUDYさんの根気強い底上げの取り組みに感銘を受けました。

本質に気づいて、まず動くことが大切だと感じます。今回のプロジェクトを通してオーバーライドのスタッフやお客さまにも参加してもらえる機会をつくれることが嬉しい。誰かの気づきやアクションのきっかけになったらいいなと思います。

恵まれた環境にいると、なかなか気がつかないことがたくさんあると感じます。今実際ガーナはどういう状況なんですか?

銅冶:そうですね。ガーナでは、田舎であれば田舎であるほど子供たちは労働力として過ごしていることが多いです。
児童労働を批判する声もありますが、僕はポジティブに捉えています。父、母、兄、妹、弟のある5人家族がいたとして、その村に学校がなく、なんとか生活している状況だとします。親が病気になってしまい、妹や弟はまだ幼く働けるような年齢ではない。そんなとき、長男は絶対に働いた方がいいんです。生きるためなので。この児童労働を否定するべきでは全くない。各地でそんな状況が起こっています。

そのため本人たちはまだ教育の大切さもわからないし、そういう認識がない。だから学校をただ建てたら終わりではなく、建てた後も、教科書だったり教育環境だったりを整えながら、しっかりと運営して根付かせていきたいです。新しい時代をつくっていけたら。

小林:銅冶さんが活動を始められてから約10年、何か変わってきていますか?

銅冶:おかげさまで工場で働ける人たちも少しずつ増えてきていて、子供たちを学校に行かせられた、1日3食食べられるようになった、という声が聞こえてきています。今年の3月は、4校目の学校も開校しました。

ライフモデルがなく、将来の夢が5通りや10通りで網羅されてしまう、まだなかなか夢が描きにくい現状もありますが、勉強したり本を読んだりすることで選択肢を広げることができるようになることが、期待できる大きな成果なんじゃないかなと感じます。

今回のコラボアイテムはどんなもの?

OVERRIDE x CLOUDY BUCKET HAT
カラー:RED / ORANGE / LT BLUE
No.816-890607 ¥7,700(税込)

小林:老若男女が手に取れるアイテムで、なおかつ、今っぽさも備わったアイテムにしたいと思いました。そこで、まずはバケットハットを。

銅冶:これはヤシの木とココナッツの実の柄です。ガーナにもめちゃくちゃ生えてます。子供たちはみんな、実を落として切って果汁を飲んでますね。

小林:かわいい柄ですよね。

OVERRIDE x CLOUDY HUNTING
カラー:BLACK / BROWN
No.816-890608 ¥8,800(税込)

このハンチングは最近お洒落さんたちの中で注目されている形。キャッチーだし、これから打ち出していきたいアイテム。アジャスターのレザー使いで高級感のある仕上がりになっています。

OVERRIDE x CLOUDY MASK&CHOUCHOU
カラー:PINK / GREEN / LT GREEN / BLUE / ASSORT
No. 816-890606 ¥5,500(税込)

おうちの中やワンマイル圏内で過ごすことも増えているので、シュシュとマスクのセットもつくりました。楽しんで柄を選んでもらいたいので、迷ってしまうようなかわいい柄を5つ選びました。

OVERRIDE x CLOUDY RAFFIA HAT
カラー:LT PURPLE / BROWN
No.816-890609 ¥11,000(税込)

ラフィアのハットはリボンが取り外しできて、リボンをあごひもにしたり、外側に巻いたり、外して単体でスカーフのように使ったりと、4wayで遊んでいただけます。どの商品にもお買い上げいただいたら2冊教科書が届きますという「2TEXT BOOOK FOR AFRICA」のパッチがついています。

このコラボを通じて伝えていきたいメッセージ

小林:まず、素晴らしい活動をしているCLOUDYの存在を多くの人に伝えたいですね。私たち自身も帽子メーカーとしてこの先何ができるかということを深く考えて、動いていかなければいけないなと思っています。今回の取り組みを通して、まず自分たちができることが何かあるんじゃないかと、考えてもらえたらいいなと思います。まずは知って、気付いてもらうきっかけになれば。

銅冶:気付いて欲しいというのは、まさにそうですね。お客様も店頭のスタッフの皆さんも含めて、手にとっていただいた方の、何かきっかけになることがCLOUDYの大切にしたいことです。

アフリカに対してアクションをするきっかけではなくて、“自分の生活、未来のことをもう一度考えてみる”きっかけ。おそらくほとんどの方が頭のどこかに、何かやりたいいことや、しなきゃいけないという思いは絶対にあると思うんです。でも、結果ばかりにこだわりすぎて、大きな成果を出さなければという気持ちになって、なかなか最初の一歩が踏み出せないという人がほとんど。

実はすごく身近に問題はあって、それと同じくらい、やれることも身近にたくさんあります。アフリカなどの途上国に対してじゃなく、初めて会う人や家族、恋人に対してかもしれない。何かをしてあげたいという気持ちが大事。人、環境、自分の仕事、何かに対してアクションできるきっかけになれたら、有意義なプロジェクトになるんじゃないかなと思います。

小林:私自身、このプロジェクトに携わることで気づいたことも多く、動いたことで遠かったアフリカの問題を身近に感じるようになり、きっかけやアクションの大切さを実感しています。

銅冶:それはとても嬉しいです。

サステナブルという言葉の本質を見つける

銅冶:サステナブルの概念はたくさんありますよね。残念ながら数字をつくるためのビジネスに利用されたり、実態のない言葉になってしまったりという場面も散見します。本質のあるものを選べるかどうかというところは、消費者側にも問われていますよね。

小林:そうですね。オーバーライドとしても、パフォーマンスとしてのサステナブルはやりたくないので、常に問題を捉えて、リアルな解決やアプローチを考えるようにしています。言葉一つで満足するのではなく、サステナブルの本質を見つめていきたいですね。何ができるのかに気付き、身近な小さいことから始める。まさにさっき銅冶さんが仰っていたことですよね。

銅冶:そうですね。実は私たちは、サステナブルやエシカル、SDGsといった言葉を使ったり、わかりやすくアフリカの子供の写真を店頭にレイアウトしたりは、あえてしていなくて。いちアパレルとして好きになってもらえる、それがたまたまアフリカで生産しているもの、ということでいい。僕たちがやるべきことは、現地でのアクションを続けることだと思っています。その実態こそが本質かな、と。だからプロダクトも生地もそれ自体がかっこよく魅力的なものを心がけています。

小林:素敵ですね。できることから、少しずつでもやることが大切だと、お話していて改めて痛感しました。帽子メーカーとして、どんな取り組みができるか、私たちも動きながらまだまだ模索していきたいと思います。

※商品のお取り扱いについて詳しくは、各店舗までお問い合わせください。
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Words: Mai Otsuki Photos: Seiji Watanabe Edit: Misaki Yamaguchi , Haruna Kato