バンブー・ハットの夢 #006

尾形光琳について、こんな話があります。

時はまさに、元禄期。所は京都、嵐山。京の春。
中村内蔵助が花見を。

中村内蔵助は当時の金座の主。
今でいえば造幣局の局長みたいなものでしょうか。
富豪。また、尾形光琳の後援者でもあった人物。

尾形光琳は中村内蔵助に誘われて、嵐山の花見に。
さて、弁当を開く時間になって、内蔵助は絢爛たる料理の数々を用意している。
一方、尾形光琳は、竹の皮に握り飯。握り飯を食べ終えた光琳は竹の皮を川に流す。

ただしその竹の皮には、光琳の金蒔絵が描かれていたという。
尾形光琳の粋を語る物語でしょう。

粋といえば、江戸末期の粋人は、竹の皮の草履を愛でたといいます。
それ以前にも、竹の皮は笠の材料としても使われたそうです。

たしかに竹の皮は丈夫です。また、撥水性もあります。
故き佳き時代の日本人が賢く使ったのも、当然でしょう。

一度乾燥させた竹の皮は、充分保存にも耐えます。
もちろん、帽子の材料にもなるはず。
竹の皮を細く裂いて、編んで、形を整えれば、野趣に富んだ帽子が生まれます。

竹の皮は英語で、 「バンブー・シース」。
「竹の鞘」と表現するんだそうです。
これを短くいえば、「バンブー・ハット」でしょうか。

バンブー・ハットは日本に生まれた日本人の知恵による帽子です。